霧(舎)巧 (傑作)短編集。
「傑作」って、これで短編全部かよ!
まあ、全体的に質は高いから、良いけど。『動物園の密室』はパロサイで読んだことあったので、それ以外は初読。
それを繋げるとは…。シリーズありきだった訳ね。
で、個別の一言感想。
[ 手首を持ち歩く男 ]
詰め込みすぎ感が、私にはあった。まずもって登場人物が多い。そのせいで、何となく全体的に胡散臭い雰囲気になってる。でも、謎解きは面白い。ありきたりといえば、そうなんだけど。
[ 紫陽花物語 ]
オチが……まあ、ね。倉知淳の猫丸シリーズに通じるというか…。「寸断されたまえがき」でも書かれているけど、キャラの性格が微妙に違っている(後動が鳴海化?)。
[ 動物園の密室 ]
こっちのが好きです。はい。恋愛要素が無いほうがいいですよ、この作家。面白いです。
[ まだらの紐、再び ]
犯人が割れやすい。リアリティが無い。こう書くと、面白く無さそうだけど、そうでもなんです。犯人が割れやすいってのは、単純に登場人物が好くないから(五人、登場人物が居るんだけど、その内二人は自動的に除外される)。まあ、この作品はフーダニットが目的じゃ無いだろうから、あまり問題は無い。問題は何でエリート幹部候補三人で乗り込んだかだよね…。普通、こういう時は、応援が付くまで待機じゃないのか? 凶悪犯とかじゃ無い訳だし…。
[ 月の光の輝く夜に ]
正直、一番面白くなかった。何でだろう。主人公は≪あかずの扉≫研究会の大前田丈。彼と月子の恋愛模様を軸に物語が進んでいく。
兎に角、とても退屈だったんだよね…。理由は分かりません。
[ クリスマスの約束 ]
島田荘司『御手洗潔のダンス』の「近況報告」的作品。ハブみたいな作品って言える。清涼院流水とか森博嗣っぽいぞ。
でも、矛盾がないね、多分。
しかしねえ…。