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殉教カテリナ車輪

殉教カテリナ車輪


 を読了。

 題名と鮎川哲也賞受賞作ってのに引かれて、読み始めた。中々面白かった。
 図像学だか図像解釈学だか、よく分からないけど、絵画の読み解き(らしきもの)と、その過程で現れる過去の殺人事件が、物語の中心になって進んでいく。
 田舎の美術館に勤務している学芸員が主人公。というか、"現在"に出てくる一人称人物が、両方とも前記に該当するんだよね。

 後書きで作家さん達が書いてるように、序盤から中盤にかけての雰囲気は、文学的な香りがするけど、後半、特に殺人事件が始まった位からその雰囲気が希薄になってしまう。比較的、登場人物に魅力的な人物が多いのだけど、その中でも妙に二人の刑事が浮いている。悉く言動が一致していない。

 と、難点としてはこの位。殆ど島田荘司評と同じです。
 全体的な完成度は高いと思う。ただチョットこじんまりしているかな。

 この作者の作品ならば、もっと壮大な作品も読んでみたい。


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[ 生首に聞いてやる ]

 http://www.excite.co.jp/book/news/story/?channel=0002&code=00021096706453

 雨ニモ負ケズ、風ニモ負ケズ……。