ハイテンション&ちょっと熱っぽい

 

春期限定いちごタルト事件 (創元推理文庫)

春期限定いちごタルト事件 (創元推理文庫)


 を読了。主人公とヒロイン(?)の奮闘ぶりがとても微笑ましい。思春期に誰もが思った「自分は特別だ」という幻想。そして、中途半端に"力"持ってしまったために、こっ酷くしっぺ返しにあい、傷つく繊細な心。精一杯虚勢を張って、理屈を付けて、その自意識を押し込めて、そして"抑圧"されていること自体に価値を見出しているような……。

 ミステリーとしては、必要以上に情報が明らかにされていたり、反対に情報が足りなさ過ぎたり、それは無いだろうと思ってしまうような詭弁が使われていて、ちょっとねえ……。

 主人公が論理を重んじる型の探偵なのか、直感を重んじる型の探偵なのかかが、どうも上手く読み取れない。というか、主人公の「すごさ」が伝わってこないため、どうも茶番劇臭い感じがする(まあ殆どが茶番だったりする訳ですが)。

 シリーズ化を目論んでいるのからか、登場人物の過去に何があったのかがまるで描かれていない、というのも、気になる所。


 この米澤穂信という人、『さよなら妖精 (ミステリ・フロンティア)』しか読んだ事が無いのだけれど、どうやらそれ以外の著作(『氷菓 (角川文庫)』『愚者のエンドロール (角川文庫)』)が面白いらしいのだが、手に入り難いらしい。読んでみたい気もする。


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 試験はもう諦めようか、と思っています。まあ良いや、成績には入らないしさ!(……。)