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生ける屍の死 (創元推理文庫)

生ける屍の死 (創元推理文庫)


 を読了。
 名作の名に相応しい。
 西澤保彦っぽい物かなあ、と思ってた訳ですが、良い意味で裏切られました。まったく無茶苦茶やってくれます。蘇る死者なんて設定を本格推理小説に持ち込んだ時点で、一人勝ち状態ですけど、これがまた料理の仕方が上手い上手い。奇抜な設定を持ち込んだ事で、作品が"ゲテモノ"になってしまうことなく、うまーくストーリに絡ませ、トリックに絡ませ、ロジックに絡ませてある。

 主人公のパンク少年と少女だけど、やっぱりこれはキッド・ピストルズの造形に何らかの関係を持ったのだろうか。



 生者と死者がほぼ同一世界に存在することで、一つの優劣関係――のようなものが取り払われ、寧ろその関係性が一部で逆転する――。生者と死者の境界――、死者は死を経験しているが、生者は一生(文字通りの意味で)それを経験することは出来ない。
 作中で作者はある人物に語らせている。生者は死者を支配し、生者の都合によってでのみそれが動く、と。また他の人物は言う。生は死の欠如であり、死は生の欠如である、と。

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 映画「ハサミ男」の公式サイト。こんな話でしたっけ。まあ、そのまな映像化は出来ないわな。アレンジしなければ、とてもじゃ無いが無理だったろうし。
 近くの映画館でやってたら、見るかもしれません。

 しかし、阿部寛の名前を最近良く見るなあ。「姑獲鳥の夏」の榎木津役とか。


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 明日試験開始。支離滅裂、無我夢中、七転八起。